関東戦線に異常あり!? 開催地の茨城県勢12チームをはじめ、関東を中心に1都7県から32チームが参戦した第22回東日本交流大会は、ベスト4がいずれも初の顔ぶれに。全国大会に連続出場中の茎崎ファイターズ(茨城)、不動パイレーツ(東京)、豊上ジュニアーズ(千葉)は、大会2日目で姿を消した。3日目の最終日は降雨もあったが、「全国予選の試金石」とされる伝統の大会は、時間を繰り上げて強行。まずは同時進行した、準決勝を1試合ずつリポートしていこう。
(写真&文=鈴木秀樹)
※記録は編集部
■準決勝1
4月4日◇希望ヶ丘公園多目的広場A面
▽第1試合
上中妻ニューフレンズ(茨城)
002043=9
002010=3
戸塚アイアンボンドス(神奈川)
【上】鳥羽田、山﨑、桜井、菊池-小幡寛
【戸】押田、加藤丈、ゲルバンド-佐藤光
三塁打/小幡寛(上)
二塁打/小幡寛(上)、松田、山本(戸)、山﨑(上)
【評】上中妻が3回表に小池星空、小幡寛大、山﨑大心の3連打と菊池豪主将の犠飛で2点を先取も、その裏、戸塚も連続四球と松田和樹の適時二塁打で同点に。それでも、上中妻は5回に連続死球と菊池主将の申告敬遠で塁を埋め、鳥羽田隼人の適時内野安打、さらに押し出し死球と暴投で計4得点。最終6回にも連打で3点を加えて戸塚を突き放し、勝利を収めた。

3回表、上中妻は小幡寛が先制二塁打㊤。その裏、戸塚の松田が同点二塁打㊦


5回表、上中妻は二死満塁から鳥羽田の内野安打㊤などで4得点。その裏、戸塚は山本椰生主将の二塁打と松田の中前打で1点を返す㊦


上中妻は6回表、九番・小池星空(5年=㊤)からの4連打で9対3とダメ押し。その裏は菊池主将が締めた㊦

第3位

勝因は雨より打
地元・茨城の上中妻ニューフレンズが、神奈川の強豪・戸塚アイアンボンドスを退けて決勝進出を決めた。
大会ホストの一員でもあり、大会には毎年、参加してきた上中妻だが、「これまでの最高成績といっても、3回戦どまり。最終日まで残ったのは、これが初めてなんです」と高野進一監督が打ち明ける。
「いつもはこんな打てるチームじゃないんですが…。たまたまですね。ははは」
もちろん、その言葉を額面通りに受け取るべきではないだろう。170cm62㎏の三番・菊池豪主将を核に、大型選手が並ぶ上位打線の迫力は抜群。この試合でも一番の小幡寛大が2本の長打を放ち、菊池主将もダ押し二塁打など2打点をマークした。

先発した鳥羽田㊤は2回無失点。マスクをかぶった小幡寛㊦ともに、打撃でも勝利に貢献した

ツキもあった。厚い雲が広がる曇天の中、予定よりも時間を早めて開始した準決勝。試合開始から間もなく、弱い雨が降り始めていたが、2対2から勝ち越しの4点を奪った5回表は、にわかに雨脚が強まったタイミングでもあった。
一死から死球、死球、内野ゴロ、申告敬遠、内野安打、死球、バッテリーエラーという流れは、雨の影響も決して少なくはなかっただろう。
とはいえ、6回にみせた、怒濤の連打による追加点を考えれば、ツキだけでないことも明らか。それでも、菊池主将は「相手のピッチャーはぜんぜん、フォアボールを出さないし、バッターは狙った球を確実に打ってくる。すごいと思いました」と、強豪が集う今大会での戦いについて、新鮮な驚きを口にした。

三番・菊池主将は3打数2安打2打点。写真は6回表のタイムリー
「1年の目標は、もちろんマック(全日本学童マクドナルド・トーナメント)ですが、ウチはとにかく野球を好きになってもらって、できれば高校まで続けてほしいなというのが、最大の目標なんです」と、再び高野監督。「それもあって、この大会以外で、県外のチームと対戦することは、ほとんどないんです。そういう意味でいえば、今回はここまで怖いもの知らずで、がむしゃらに戦ってくることができたのが結果につながった、というのはあるかもしれませんね」
だからこその、菊池主将の言葉なのだろう。続けて彼が発したのは「すごくいい経験ができていると思う」という言葉だった。「この経験を、マックにつなげたいです」

二番・山﨑大心はシュアな打撃で2安打1打点
菊池主将の後、四番に座る草野樹は「強いチームばかりで、刺激になります。ボクももっと長打を打てるバッターになりたい」と言い、一番打者として打線をけん引、捕手としてもチームを引っ張った小幡寛は「先頭打者としては、とりあえず自分が出塁することを目標にしています。キャッチャーとしても、ピッチャー支えられる存在になりたい」。
たくましく成長中の選手たちが一丸となって戦う上中妻。雨の降り止まない希望ヶ丘公園の応援席を、熱く盛り上げる1勝だった。
雨を言い訳にせず
敗れた戸塚・桑山嗣俊監督は、険しい表情を崩すことなくつぶやいた。
「これじゃあ厳しいですね…」
その目は、この試合だけではなく、これから先のシーズンを見据えているのだろう。

この大会には神奈川から、戸塚のほかに、昨秋の関東新人戦で初優勝した清水ヶ丘ジャイアンツをはじめ、県新人戦準優勝の元宮ファイターズ、そして2024年の全日本学童マクドナルド・トーナメントで全国ベスト8入りした平戸イーグルスと、そうそうたるメンバーが参戦。いずれも活動拠点は横浜市で、今大会で最上位に進出したのが戸塚だった。
それでも、この準決勝での戦いには及第点をつけられなかった様子で、桑山監督の表情は苦々しい。「するべきことが、できていない。これでは(すでに市内大会が開幕している)マクドナルド(全日本学童)どころではありません」

とはいえ、投手陣には厳しすぎる強さとなった雨により、コントロールを乱すアクシデントもあっての結果。先発した押田友樹(=㊤写真)は5回途中まで投げ、失点した3回を除けば被安打はわずか1と、決して悪くない内容。さらに3回の失点直後、一気に同点に追いついてみせた打線の勝負強さなど、目を引く点も多かった戸塚。この1敗を、これから続くシーズンの中で、飛躍するきっかけにしたい。